フルサイズの素晴らしいオールドヴァイオリンを出品致します。
以下の出品説明をご理解頂いて入札下さいます様お願い申し上げます。

ラベル：
Antonio Compostano fece in Milano
Contra da farga 1701

サイズ：
BL: 356mm
UB: 169mm
CB: 116mm
LB: 206mm

裏板は二枚剥ぎでややフレームを感じる楓、表板は中央から端の方まで揃った細かい木目の非常に良い材料、裏板とマッチしたフレームのリブ
オールドらしい小振りな造形のスクロールを持っています。ゴールデンイエローを感じる下地にブラウンのニスが塗られオリジナルニスも残っています。
高さは中庸で美しい滑らかなアーチングが見事です。駒はAUBERT DE LUXEの古材（フィラデルフィアのメニクコレクション）を用いており
弦はオイドクサを張っています。

コンディション：
継ぎネック、ペグホールブッシング、ボタンはエボニークラウン、ペグボックス裏の潰れ傷はオールド特有のものです。
裏板はアッパーバウツ高音側に一か所リペアードクラック、リブと表板は修理済みのクラックが複数確認出来ます。
信頼できる専門工房でセットアップを行っており、その際にフィッティング交換、駒作成、魂柱製作を含む最高の調整を実施しています。

音色：
「突き刺さる」レスポンスの良い発音、音色はシルバートーンでソプラノの声を持っています。子音の美しさ、倍音の乗った響き
弾いていてストレスの無い楽器です。柔らかく美しいソノリティはオールド楽器を弾く喜びを味わえると思います。
弦の選択ですが、オイドクサの選択が最適なのかは分かりません。オリーヴを張るか、それとも真逆にエヴァピラゴールドなども
トライすると面白いかと思います。

楽器について：
このラベルの製作者アントニオ・コンポスターノはミラノの製作家で生没年は不詳、1680年頃から1710年までミラノで活躍しました。
主にグランチーノのモデルで製作し、この人の楽器は本物のグランチーノの作品として売られたという記録が残っています。
グランチーノはミラノの重要な製作家一族で、初代のパオロはクレモナのニコロ・アマティーの弟子でミラノに戻りアマティースタイルの
楽器を製作しました。その息子がジョバンニ・バティスタで、更に同名の息子ともう一人の息子フェルディナンドが製作家としてミラノで製作を続けました。
グランチーノ一族はオールドイタリアンでは重要なファミリーであるにも関わらず、詳細は良く分かっていません。その理由はジョバンニ・バティスタが
同名で三人いる事や更にアンドレアやグラミノなど複数の製作家がいて、その関係が完全には解明されていない事もあるからかも知れません。
この辺りの事情は、ガダニーニ一族とよく似ています。
この作品はAntonio Compostanoのラベルが有り、継ぎネック、ペグホールブッシング、ボタンはエボニークラウン、高さはそれ程でもない割には
非常に美しいアーチングを持つ、極めて興味深い楽器です。鑑定書が無いためCompostanoラベルの楽器としてご理解下さい。
専門店では極めて高価な値付けになると思われますが、コロナ禍で海外にも行けず鑑定家の来日も望めない事から、安価に売り切り致します。

入札について：
誠に勝手ながら、評価の少ない方、評価の悪い方、キャンセル歴のある方は当方の判断で入札を削除させて頂いたり質問への回答を留保させて頂く
場合があります。トラブル防止のためですので、どうぞ御理解をお願い致します。試奏して頂きたいのですが、現在の状況では難しいのと
家族に医療関係者がおり私自身も健康に問題があるので、大変申し訳ありませんが対応できません。ですので売り切りにさせて頂きます。